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BtoB営業で押さえておきたい3つのポイント
対法人のBtoB営業は、対消費者の営業とは異なります。まずは、BtoB営業で押さえておくべき基本的なポイントを3つ見ていきましょう。
1.取引相手・決裁者・利用者が異なる
BtoB営業の特徴は、取引相手(担当者)、利用者、決裁者がそれぞれ異なるケースが多いです。BtoCでは取引相手・利用者・決裁者が一致していることがほとんどのため、話がまとまれば契約まで取り付けやすいですが、BtoB営業は異なります。
BtoB営業で取引担当者と話が成立したとしても、決裁は担当者よりも上の役職で行われることが多いためです。商談がうまくいっているように思えても、決裁の段階で却下となることもあります。
2.規模が大きいため検討に時間がかかる
BtoB営業は対法人であるため、1件あたりの契約で動く金額も大きいです。また、金額が大きい分、複数人が決裁にかかわることも多く、検討にかかる時間も長い傾向にあります。
契約までに時間がかかることを考慮して、検討中でも継続してコミュニケーションを図ることが大切です。
3.企業にとってのメリットが重要となる
BtoB営業は、対消費者の営業のように、個人が欲しいと思えば契約が成立する単純なものではありません。法人にとって、会社理念や営業方針、抱えている課題とあっているかどうかが重視されるためです。
また、費用対効果も検討対象になるため、便利であってもコストの面で契約に至らないこともあります。法人相手に、どれだけのメリットを伝えられるかがBtoB営業では重要です。
BtoB営業の主な手法
BtoB営業の主な手法として、以下の3つが挙げられます。
・新規開拓営業
・ルート営業
・反響営業
それぞれの特徴をみていきましょう。
新規開拓営業
新規開拓営業は、自社と取引実績のない企業に対して新規に営業を行うことです。直接相手先に出向く飛び込み営業のほか、公式サイトのお問い合わせフォームへの送信やリストを活用したテレアポなどによって新規獲得をねらいます。
まったく取引のない企業へのアプローチになりますので、ルート営業と比べてアポイントや契約を取り付ける難易度は高いです。営業担当者の実力に左右されやすい営業手法といえます。
ルート営業
ルート営業は、取引関係にある既存顧客を訪問して、引き続き契約をしてもらえるようにアプローチする営業手法です。
提供する商品やサービスに関して問題がないかなどヒアリングを行い、必要に応じて追加発注や提案などを行います。新商品や新サービスの情報を顧客に提供し、積極的に提案するのもルート営業の業務のひとつです。
反響営業
反響営業は、広告やWebなどで宣伝をし、宣伝に対してお問い合わせなど反応のあった顧客に営業をかける手法をいいます。
反応のあった顧客に営業をかけることから高い成約率を期待できますが、反応がなければ営業をかけられません。多くの反響を得るためには効果的な宣伝方法の選択や規模が重要なポイントとなります。
BtoBの営業フロー5ステップ
次に、BtoB営業の基本的な流れを見ていきましょう。
ステップ①ターゲット企業のリスト作成
BtoB営業のためには、営業対象となる法人を絞り込む必要があります。精度の高い抽出をするなら、営業戦略に沿ったターゲット企業のリスト化が重要です。
インターネットなどを利用して自社でリサーチして作成する方法や、営業リスト自動作成サービスを利用する方法があります。
ステップ②アポイントの獲得
リスト化したターゲット企業の情報をもとに、アポイントを獲得します。電話で自社を紹介して約束を取り付けるケースが多いですが、メールを利用することもあります。
ステップ③提案準備
アポイントの獲得ができたら、訪問前に、ホームページなどから訪問先の情報収集をしておきます。自社を売り込むことも重要ですが、情報収集が不十分であると不信感や悪印象を与えてしまい、契約の取り付けが厳しくなるためです。
情報をまとめて、訪問先が困っていそうなことや課題がないかを探っておきましょう。事前に仮説を立てておくのがおすすめです。
ステップ④ヒアリング・提案
訪問時には、顧客のニーズを引き出すためのヒアリングを行います。ヒアリングでの情報とあらかじめ立てておいた仮説を比較すると、顧客のニーズや課題が見えやすくなるでしょう。
さらに、ヒアリングでの情報をもとに、契約に向けて、顧客に合った商品の提案や交渉を進めていきます。BtoB営業では、相手の返答を待つばかりでなく、購入意思決定を促すためのクロージングも重要です。
ステップ⑤アフターフォロー
BtoB営業はルート営業が多いことから、契約成立後も、問い合わせ対応やサポートなどのアフターフォローを丁寧に行う必要があります。長く付き合っていくためには、契約後の関係性の構築も意識しておかなければなりません。
BtoB営業で成功するためのコツ
BtoB営業で成功するために押さえておきたい5つのコツを紹介します。
現状の課題を明確にする
BtoB営業成功のためには、営業活動の現状を把握して、自社の課題や弱点は何かを明確にすることが重要です。現状を把握する際には、営業ステップごとに目標値を決め、目標値と実績が大きく離れていないか確認します。
営業数自体が少ないのか、営業数はあってもリード獲得が弱いのか、アポイントが取れていないのかなど、目標値と実績値を比較することで見えてくる弱点もあるはずです。
自社の営業活動の弱点を見つけたら、顧客獲得のチャネルやトークスクリプトを見直すなど、重点的に補強できるような施策を取り入れます。
顧客目線で提案する
BtoB営業で成功するには、顧客に自社の商品やサービスを売るのではなく、顧客が抱える課題の解決手段として商品やサービスを提案する姿勢が重要です。
顧客の課題にアプローチすることで、自社の商品やサービスに興味を持ってもらいやすくなり、アポイントや契約につなげやすくなります。
顧客目線で提案できるようにするためにも、まずは顧客との信頼関係の構築を優先し、ボトルネックを探っていくことがBtoB営業成功のポイントです。
クロージングを意識して提案をする
BtoB営業では、決裁者への直接的な働きかけが難しく、契約まで長期化してしまうことも多くあります。しっかりと契約につなげるためには、クロージングを意識して行動することが重要です。
例えば、決裁者と直接接触できるように営業担当(売り手)から積極的に働きかける姿勢もときには必要になるでしょう。
フレームワークを活用する
フレームワークを活用することで、必要な顧客情報を把握できるようになったり、効果的な提案ができるようになったりします。フレームワークを取り入れるのもBtoB営業で成功するためのコツです。ここでは、代表的なBANTとFABEのふたつのフレームワークを取り上げます。
BANT(バント)
BANTは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(需要)、Time frame(導入時期)の頭文字からきています。取引相手である企業から必要な情報を聞き出すためのフレームワークです。具体的には、次のような内容を把握して提案に反映させます。
・Budget(予算):顧客の予算
・Authority(決裁権):決裁権がある人
・Needs(需要):顧客のニーズ
・Time frame(導入時期):競合の存在や支払い可能な時期
FABE分析(ファブまたはファベ分析)
FABEは、Feature(特徴)、Advantage(優位性)、Benefit(顧客便益)、Evidence(証拠)の頭文字からきています。商品やサービスの提案時に、自社のメリットを効果的に伝えるためのフレームワークです。次の4つの内容を意識して提案していきます。
・Feature(特徴):商品やサービスの特徴
・Advantage(優位性):他社と比較したときの自社商品やサービスの優位性
・Benefit(顧客便益):顧客にとっての価値やメリット
・Evidence(証拠):自社の優位性や顧客便益を示す根拠
データ・数値分析で顧客にアプローチする
BtoB営業を成功させるには、データの活用や数値分析が効果的です。データを用いることによって、確度の高い見込み顧客を整理して営業活動に注力できるようになりますし、顧客ごとの戦略も立てやすくなります。
また、蓄積された営業データを分析すれば、自社の営業活動の課題が明確になり、営業プロセスで改善が必要な部分も見つけやすくなります。
営業の質を高め、より効果的な営業活動にするためにもデータや数値分析を用いて顧客にアプローチすることを意識すると良いでしょう。
BtoB営業でさらに成果を上げるためには?
BtoB営業の基本を把握したところで、成果を上げるためのふたつのコツを紹介していきます。
インサイドセールスを取り入れる
インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議などによって非対面で営業活動をすることです。
見込み顧客に対して効率的にアプローチできるため、新規開拓のチャンスを増やせるでしょう。ルート営業が主な営業組織においても対面で必要な移動時間や労力がかからないため、取り入れやすいです。
営業活動効率化サービスを導入する
BtoB営業で成果を上げるには、営業支援サービスの導入もおすすめです。
営業支援サービスを活用することで、営業活動のほか、営業管理の効率化も図れます。
営業活動でお困りでしたら、ぜひ「DX営業代行」をご活用ください。リスト収集からテレアポ営業まで一括で代行を承っているため、企業様の営業活動の効率化に役立ちます。社内のアポ業務に専念するのにも効果的です。
また、貴社の営業活動がスムーズに進められるよう、弊社では営業ノウハウを積極的に提供しているため、社内で営業チームの強化をしたいときにもおすすめです。
まとめ
BtoB営業は、BtoC営業のように取引相手と決裁者が同じではない場合が多いです。新規開拓が難しくルート営業が多い、規模が大きいため契約成立まで時間がかかる、などの特徴があります。
BtoB営業の基本的な手法の流れに沿って、BANTやFABE分析といったフレームワークも活用すると、より効率的に営業活動ができます。
BtoB営業で成果を上げるには、BtoB営業の基本や対法人営業の特徴を理解し、必要に応じて営業を効率化できるツールを取り入れていくと良いでしょう。