営業施策とは?
営業施策とは、その名の通り営業活動をするための施策を指す言葉です。特に、「ヒト」「モノ」「カネ」という自社が持つリソースをどう分配しながら営業活動していくかを考えるのが重要です。
より契約に結びつけやすくするための効果的なアプローチ法を考え、実行していくことが営業施策と言い換えることもできます。
営業施策には5つの属性がある
営業施策には、下記5つの属性があります。
・社員教育
・ターゲティングの見直し
・戦略や手法の見直し
・プロダクトの改善
・新しいツールの導入
社員教育は、営業職として欠かせないコミュニケーション能力の習得からデータの分析・管理方法まで詳しく指導する施策です。成果が出るまでに時間がかかりますが、ハイスキルな営業担当者として成長してもらうことができれば、自社のマンパワーを大幅に増やすことができます。
ひとりの営業担当者だけでは成し得ない大きな成果につながることもあるので、どの企業でも欠かすことのできない施策とされています。
ターゲティングの見直しは、「誰に売るか」を見直す施策です。一見ニーズがなさそうに見えるターゲットでも、アプローチの方法や宣伝を変えれば有効に働くかもしれません。
営業戦略や手法の見直しにつながることでもありますが、従来の方法に捉われることなく、新しい可能性を探ることが大切です。
また、プロダクト(商品・製品)自体を改善し、より市場に求められる商材にしていくことも重要です。他には、セールステックなど新しいツールを導入して業務効率化を図る方法もあります。自社にはない視点を得たいときや、人員不足で悩んでいるときに有効な手法なので、検討してみましょう。
営業施策の立て方
営業施策は、下記のステップを踏みながら立てていくのが一般的です。
1.目標の可視化
2.市場分析
3.競合分析
4.自社分析
5.顧客分析
6.課題と対応策の考案
営業施策の立案は、上記の中で「6.課題と対応策の考案」に該当します。しかし、前段階である5つのステップがないと説得力のある施策にならないことも多いです。
まずは売上目標や獲得したいシェアなど、目標を可視化していきましょう。そのうえで景気・為替・税率など社会的な要因や同業を取り巻く環境などを分析し、自社が置かれている状態を明らかにします。
同業他社がどのような営業施策を打っているか、それと比較して自社の強み(弱み)が何かを分析することも重要です。
その後、ターゲットとアプローチ手法を最適化させるフェーズに移ります。目標との乖離や自社の課題が既に浮き彫りになっていれば、営業施策の立案に役立ちます。施策を実行した後は、効果検証を繰り返しながら定期的に修正・改善し、更なる最適化を目指しましょう。
【営業施策】具体的な施策例
ここでは、代表的な営業施策を紹介します。施策ごとに効果的なターゲットの範囲や活用シーンなどが異なるので、それぞれの特徴を理解することが重要です。
オンラインでの施策とオフラインでの施策とに分けて解説するので、チェックしてみましょう。
オンライン施策例
オンライン施策は、インターネット上のサービスやメディアを活用する方法です。業種問わず多くの企業が取り入れているオンラインの施策として、下記が挙げられます。
・Web広告への出稿
・SNSの活用
・Webサイトの活用
・マッチングサイトの活用
・ブランディング動画の制作
潜在客の獲得に有利になるよう広範囲に広告を出稿することもあれば、ブランディングやファン獲得のため限られた層にアプローチすることもあります。近年特に伸びを見せている施策であり、SNSや動画コンテンツを使ったアプローチも散見されます。
また、数値的根拠に基づいた属人的でない営業活動がしやすく、ノウハウやナレッジを後続に引き継ぎやすいのも魅力です。
オフライン施策例
オフライン施策は、インターネット以外の媒体などでアプローチする方法です。インターネットが普及する前から活用されてきました。
オフラインでの施策として、下記が挙げられます。
・展示会への出展
・ダイレクトメールの送信
・電話営業
・ルート営業
・飛び込み営業
・ニュースレターの配信
・ビジネス交流会への参加
対面でのコミュニケーションを重視するシーンが多く、ダイレクトにアプローチできるのが魅力です。思わぬところで縁がつながることもあり、業界内外へパイプを広げるきっかけにもなります。
【営業施策】数値的改善を実現するためのポイント
最後に、数値的改善を実現するための営業施策について解説します。営業施策の効果を高めるために、参考にしてみましょう。
インサイドセールスを活用する
インサイドセールスとは、メール・電話・オンラインミーティングツール・チャットなどを使って営業する手法のことです。いわゆる「オンライン営業」であり、少しずつ導入する企業数が増えています。
インサイドセールスを活用する最大のメリットは、業務効率化にあります。たとえば、客先へ訪問するための移動時間を短縮できます。人員が少ない企業でも効率的に営業できたり、時間を有効活用して1日にコンタクトできる顧客数を増やしたりする効果が発揮されるのです。
契約の手法を見直せば、架電やメールだけで契約を獲得できるケースもあり、営業部門の省エネ化にも貢献します。
PDCAサイクルを実施する
営業施策の効果はリアルタイムで現れるとは限らないため、PDCAサイクルの徹底が欠かせません。重要業績評価指標(KPI)を用いた振り返りはもちろん、営業ツールを用いての顧客データの見える化をおこない、PDCAを繰り返すことが大切です。
PDCAとは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」の4ステップのことです。長期的なPDCAサイクルを構築し、数値的に管理することを意識しましょう。短期的な効果だけに惑わされることのないよう、あらかじめ社内における判断基準づくりをすることもポイントです。
複数の施策を用意しておく
あらかじめ複数の営業施策を用意しておき、効果検証の結果次第でスムーズに切り替えられるよう対策を打つのも有効です。
ひとつの営業施策だけを用意した場合、効果が見られないと、新たな施策に切り替える準備に時間を要してしまい、機会損失が多くなったり、人員も資源も離れてしまったりすることがあるかもしれません。
そのため、2つ以上の施策を用意しておき、「どちらがより良い成果を出せるのか」を重視しながらフレキシブルに施策を切り替える準備をしておくのがおすすめです。正解はひとつではないことを念頭に置き、対策しておきましょう。
研修の形態を変えて新しいナレッジを発見する
営業研修を充実させ、営業担当者の教育に力を入れる方法もあります。
一般的に営業研修ではロールプレイングやコミュニケーション強化を図ることが多いです。しかし時には、営業職以外も加えたフレキシブルな情報交換の場を設けてもよいでしょう。新たな発見を得るため、セミナーやイベントを活用する方法もあります。
また、属人的な営業から脱却するため、ノウハウやナレッジの共有を促進することも有効です。細かい現場レベルでもできることはあるので、研修の形態を微調整しながら新しいナレッジを見つけていきましょう。
まとめ
営業施策は、業種・商材・企業理念によりさまざまな形が取られます。
従来の「足で稼ぐ」営業スタイルもあれば、インサイドセールスのようなオンライン営業のスタイルも主流になりつつあり、百社百通りの方法があることを理解しておきましょう。そのうえで自社に合った営業施策を確立し、PDCAサイクルを回しながら最適化していくことが大切です。
また、営業担当者の教育やセミナー・イベントなどを活用し、マンパワーを増やす方法も有効です。