展示会営業の目的は?結果を残すためのコツや注意点も解説

展示会は、商品、サービス、情報などを展示、宣伝するためのイベントです。業界ごとに特徴のある展示会が開催されています。 今回は、展示会における営業の重要性や成功のためのコツ、注意点について解説します。


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展示会営業の目的とは?

最初に、展示会で営業する目的を解説します。

見込み顧客(リード)との接点を増やす

展示会の来場者は、課題を解決するために、特定の商品やサービスについて関心をもっている状態です。来場者の課題の解決方法として、実際に商品やサービスの説明をすることで、より興味をもってもらえます。そのため、テレアポやチラシなどでの営業に比べ、商談につながりやすいです。

また、展示会には普段なかなか会えない経営者や決裁権者が来場するケースも多く、名刺交換や直接コミュニケーションをとる絶好のチャンスです。場合によっては、そのまま成約につながる可能性も十分に考えられます。

見込み顧客について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
営業におけるリードとは?管理方法や受注獲得のためのポイントを解説!

既存顧客との関係を強化する

展示会では、既存顧客とコミュニケーションをとることも可能です。既存顧客が抱える課題を解決できる別の商品やサービスを提案したり、情報交換したりできます。

顧客がエンドユーザー(BtoC)の場合、直接意見を聞ける機会は限られます。展示会の場を積極的に活用し、課題や不満などを直接ヒアリングすることで商品開発に活かすことが可能です。

顧客が企業(BtoB)であれば、普段の営業では接しない担当者と有意義な情報交換ができると、より深い関係性を構築できます。

商品・サービスの魅力を直接アピールする

商品やサービスを実際に手に取り利用しながら説明を受けると、資料や口頭のみでの説明より理解が深まり、成約に結び付きやすくなります。これは、近年増えているオンラインでの展示会では実現不可能な体験であり、商品の魅力を顧客に直接伝えられる点が大きなメリットです。

また、商品の率直な意見を直接ヒアリングできれば、成約率の向上が見込まれるだけでなく、商品開発や改良、販売戦略のヒントにできます。

自社の認知度向上を図る

多くの来場者に自社の製品やサービスをアピールするだけでなく、ブランディングも意識することで、自社の認知度向上が目指せます。ブランディングは、新規顧客や見込み顧客をより多く集客するためには欠かせません。

自社の製品やサービスをしっかりとアピールすることで、その場での契約は難しくとも、後から問い合わせが入る可能性があります。パンフレットやノベルティを配布したり、ブース装飾を工夫したりする施策も必要です。

展示会の営業を成功させるための5つのコツ

展示会の営業を成功させるには、下記で紹介する5つのコツを押さえておきましょう。

1.事前に目標を設定する

最初に、展示会での目標を設定します。漠然と出店するだけでは、展示会の効果を活かすことはできません。

目標設定は、具体的な数値で明確に示すと、チーム内で取り組みに対する共通認識をもつことができます。目標とするアプローチ件数、名刺獲得件数、商談件数、契約件数などの設定により、モチベーションの維持にもつながります。

商談件数の目標を達成するには、決められた時間内で複数の相談を効率良く行わなくてはなりません。15分程度で簡潔に製品やサービスの説明をできるようにしておくと、商談件数を増やせるだけでなく来場者の離脱抑止にも効果が見込めます。

2.案内状やDM、SNSで集客をしておく

来場者の多くは、訪れるブースを事前に決めています。見込み顧客に対して、メールや案内状を送ったりSNSで展示内容を告知したりと、事前に情報を伝えておくことで自社ブースを目的とする来場者を増やせます。

案内状を送付するだけでなく、到着後2~3日程度を目安としてフォローの電話を入れると、丁寧な印象を与えられるほか、きちんと届いているかの確認や先方の見落としを避けることができます。

展示会当日の2~3日前にも、挨拶の電話を入れると良いでしょう。メールで案内を送った場合も、同じように電話でフォローを入れるのがおすすめです。

3.スタッフの役割を決めておく

展示会当日、スムーズに来場客の対応を行うには、事前にスタッフの配置場所や役割を決めておくことが欠かせません。役割分担の一例として、下記の分け方があげられます。

役割 仕事内容
責任者 全体を統括する
呼び込み 来場客へ声かけをしたりチラシを配ったりする
説明責任 商品やサービスに興味を持った来場者へ説明する
クロージング 契約や申込の手続きを行う
集計 データ入力を行う

展示会の会期中には、それぞれの役割における進捗状況を共有し、全体で目標に向かって取り組むことが大切です。また、小間数に合わせて、適切な人員を配置することも意識しましょう。

4.魅力的なブースを作る

来場者がブースに足を運びたいという意欲をもたせるために、魅力的なブース作りを行いましょう。デザインにコーポレートカラーを取り入れたり、ノベルティを配布したりと、ブランドのイメージに合わせてブース作りを行うことで、商品だけでなく企業の認知度向上にもつながります。特にノベルティ配布は、来場者へアプローチできる有効な手段です。

来場者がサービスを体感できるデモ実験の場所を設けたり、デモ動画を流したりすると、来場者の興味を惹くことができます。

5.展示会のフォローアップをする

営業のアポイントや商談獲得につなげるため、展示会後は来場者に対するフォローアップを行います。効率良くフォローアップするため、ランク付けを行って優先順位を決め、できるだけ当日にお礼のメールを送りましょう。そうすることで、来場者に好印象を与えられます。

お礼のメールは、全員同じ文章にするのではなく、来場者の興味や関心度に合わせて変えていくのがおすすめです。

さらに、来場者との関係性を続けるために、お礼メールを送った後も定期的に情報提供を行いましょう。関係構築がしっかりできていれば、来場者の必要なタイミングで商談や成約の問い合わせがきます。

展示会で営業する際の注意点

展示会における営業では下記の2点に注意しましょう。

ルールや節度を守って営業する

ブースのデザインや展示内容が優れていても、スタッフの印象が悪かったり強引な営業をしたりしていると、来場者が不快に思い、自社のブランディングを損なってしまいます。トラブルを防ぐために、ルールや節度を守った営業をすることが必須です。

また、展示会では同業の企業もターゲットとなるため、出展企業同士でのコミュニケーションも十分意識しましょう。今後の展示会に悪影響を与えないためにも、常に周囲に気を配りながら営業することが大切です。

営業する相手の優先順位をつける

事前に設定した目標と照らし合わせて優先順位をつけ、効率良く営業を行うことが展示会成功の鍵といえます。

展示会営業の成果を上げるには、目標に対して重要となる相手を優先することが大切です。例えば、普段の営業では会えるチャンスがない社長や重役、商談目的で来日している海外の来場者などです。展示会ならではのチャンスを逃さないようにしましょう。

まとめ

展示会では新規顧客へのアプローチだけでなく、既存顧客との交流、企業の認知度向上なども行えます。展示会を成功させるためには、目標を決め、集客やブース作り、スタッフの配置、フォローアップなどの工夫が必要です。

ルールや節度を守りながら、自社の魅力を最大限にアピールし、展示会を成功させましょう。