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インサイドセールスにおけるトークスクリプトとは
インサイドセールスとは、非対面で行う営業活動のことです。
非対面の営業活動と聞いて、テレアポをイメージする方も多いかもしれません。しかし、テレアポはアポイントを取ることを目的としているため、インサイドセールスとはやや異なります。
インサイドセールスはアポイントを目的とするものではありません。対面営業と同様に、商談に向けた信頼関係の構築・顧客情報の収集・ニーズの把握などを目的としています。
インサイドセールスにおけるトークスクリプトとは、会話の台本のことです。メール・電話・オンライン商談などの際に活用します。トークスクリプトを活用すれば、顧客とのやり取りをスムーズに進められて最適な提案へと導けます。
BtoB企業のインサイドセールスについて、詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください。
「BtoB企業でインサイドセールスを取り入れるメリット!導入のポイントも解説」
インサイドセールスでトークスクリプトが重要な理由
インサイドセールスを行う上で、トークスクリプトが重要な理由についてみていきましょう。
営業チームのトークスキルの標準化ができる
トークスクリプトなしでインサイドセールスを行うと、メンバーがそれぞれ異なる対応をしてしまいます。成果を出せるメンバーもいるかもしれませんが、あまり振るわないメンバーもいるでしょう。属人化も進んでしまいます。
これに対して、トークスクリプトがあれば誰でも一定の成果を出しやすくなり、属人化の防止にもつながるメリットがあります。
成功パターンを反映させたトークスクリプトを活用すれば、チーム全体の成約率も向上するでしょう。
改善点を把握できる
トークスクリプトに沿ってインサイドセールスをすれば、成果につながらなかった場合でも改善点を把握できます。どのタイミングで断られたのか、電話を切られたのかを記録することで、改善すべきポイントが見えてくるでしょう。
例えば、アポイントを取る前の段階で断られていることが多ければ、商材の概要がうまく伝わっていない可能性が高いと分析できます。
会話の流れを可視化して比較することで、効果的にアプローチできている部分と、そうでない部分も区別しやすくなるのもメリットです。トークの内容を見直しながら、より成約率の高いスクリプトへ改善をしましょう。
新人教育に活用できる
トークスクリプトは新人教育にも活用できます。新人は何を話せば良いのかわからないことが多いですが、トークスクリプトには具体的なトーク例が記載されています。
新人でもトークスクリプトに沿って練習すれば、一定レベルの営業トークが身につきやすいです。早い段階で戦力として使えるようになるでしょう。成功体験をすることで、モチベーションの向上にもつながります。
インサイドセールスのトークスクリプト作成方法
インサイドセールスのトークスクリプトを作成する方法をみていきましょう。
1.ターゲット・目的を明確にする
最初に、ターゲットとなる顧客層を明確に設定しておく必要があります。複数社のターゲットを設定するとより効果的ですが、初めてトークスクリプトを作成するなら、1社に関して細かく想定しましょう。
設定する項目としては、年齢・性別・役職・業種・配属先などがあげられます。ターゲットを細かく具体的に設定すれば、営業の目的も明確に定まるでしょう。例えば、アポイントの取得や資料送付を目的とするような具合です。
目的が明確化されれば、トーク設計の方向性も見えてきます。
2.トークの骨組みを作成する
次にトークの大まかな構成を作りましょう。はじめに挨拶から入って、最後のクロージングまでが基本構成です。その間をどのような流れにするのか整理します。
例えば、受付を突破して担当者にヒアリングを行い、現状と課題を把握してから、その解決策を提案するという具合です。ターゲットに関して設定した内容や、営業の目的などを意識して決めるようにしましょう。
3.具体的な要素を入れていく
骨組みが完成したら具体的な要素を入れていきます。主な要素としては、下記があげられます。
・受付突破
・現状と課題のヒアリング
・提案
・アポイントの調整
それぞれ詳しく解説します。
受付突破
インサイドセールスで最初に会話をする相手は受付担当者です。受付を突破しないことには始まりません。商材に関わりのある部署の担当者につなげてもらうためには、簡潔で明確に目的を伝える必要があります。
このとき、受付担当者の負担にならないように言い回しを工夫することが重要です。そうすればスムーズに受付を通過できて、印象を悪くすることもありません。コンバージョンの種類に応じてトーク内容を変えると、よりスムーズにいくでしょう。
現状と課題のヒアリング
顧客にヒアリングを行い、現状を正しく把握する必要があります。その際にBANTCH情報を聞き出しましょう。BANTCH情報とは、次の6つの情報のことです。
・予算(Budget):どれくらいの費用をかけられるか
・決裁権(Authority):誰が最終的な決定権を持っているか
・ニーズ(Needs):どんな課題や要望があるか
・検討時期(Timeframe):いつ導入や意思決定を考えているか
・競合(Competitor):他に比較・検討しているサービスはあるか
・人員体制(Human resources):導入後の運用体制や担当者はどうなっているか
顧客の現状を把握する上でBANTCH情報は欠かせません。
提案
提案の際にはSPIN話法が効果的です。SPIN話法とは、イギリスの行動心理学者であるニール・ラッカム氏が考案したコミュニケーションのフレームワークです。次の4種類の質問を順番に行います。
1.状況質問(Situation Questions)
現在の業務内容や環境など、基本的な情報を把握するための質問
例:「現在の業務フローはどうなっていますか?」
2.問題質問(Problem Questions)
顧客が抱えている課題や不満を明確にする質問
例:「どの工程に一番時間がかかっていますか?」
3.示唆質問(Implication Questions)
その問題がもたらす影響を深掘りし、課題の重要性を浮き彫りにする質問
例:「この問題を放置することで、組織にどのような影響を与えますか?」
4.解決質問(Need-payoff Questions)
解決策の効果や導入メリットを想像させ、顧客にとっての価値を明確にする質問
例:「その作業が自動化できたら、どれくらい効率が上がりそうですか?」
SPIN話法を用いると顧客の課題に基づいた解決策を提案しやすく、顧客からの納得も得やすくなります。
アポイントの調整
クロージングとしてアポイントの日程調整を行います。相手に日時を尋ねるよりは、こちらからいくつか日時の候補を出すほうが返答を得やすくなるのでおすすめです。
【テンプレート】インサイドセールスのトークスクリプトの例
インサイドセールスのトークスクリプトの例を紹介します。
受付でのトークスクリプト例
受付時の挨拶のトークスクリプト例は、次の通りです。
担当者不在時のトークスクリプトの例は次の通りです。
担当者とのトークスクリプト例
課題を聞きだして提案する際のトークスクリプト例は、次の通りです。
「御社が目指す理想の姿に対し、現在の課題はどのような点でしょうか?」
「その課題を解決しなくても目標達成は可能でしょうか? また、課題を解決しない場合にはどのような影響が考えられますか?」
「弊社の○○(サービス名)なら、御社の課題を解決できる可能性があると考えていますが、いかがでしょうか?」
話を聞いてもらえなかった場合のトークスクリプトの例は、次の通りです。
クロージングのトークスクリプト例
クロージングのトークスクリプト例は、次の通りです。
「直接お話ししたほうがわかりやすいかと思います。そこで、来週の○日・○日・○日の14:00以降で、ご都合の良いお時間はございますか?」
「本日はお忙しいなかお時間をいただき、ありがとうございました。ご確認のうえ、ご連絡いただけますと幸いです。」
まとめ
インサイドセールスでは、トークスクリプトを作成して活用することで、チーム全体のトークスキルが標準化されます。改善点を把握しやすく、チーム全体のトークスキルを底上げできる点も、大きなメリットのひとつです。
トークスクリプトを作成する際には、最初にターゲットと目的を明確化してから、全体の大枠を作成しましょう。その後に具体的な要素をひとつずつ作成します。BANTCH情報の聞き出しやSPIN話法などを活用するのが効果的です。
ただ、それでもトークスクリプトの作成が難しいと感じている営業マネージャーの方もいるでしょう。そのような場合には、DX営業代行を利用してみてはいかがでしょうか。
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