新規開拓リストの重要性|基本的な作り方・作る際のポイントを紹介

新しい顧客を増やして業績を伸ばすには、ターゲットを絞った新規開拓リストが必要です。質の高いリストを作成して、少ない労力で大きな成果をあげましょう。 こちらの記事では、企業の営業活動における新規開拓リストの重要性を紹介しながら、具体的なリストの作り方を解説します。


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営業にとって新規開拓リストが重要である理由

新規開拓リストとは、新しい顧客にターゲットを絞ったリストのことです。企業名や代表者名、住所、メールアドレス、担当部署といった、さまざまな情報を盛り込んで作ります。

ここでは、新規開拓リストの重要性について紹介します。

質の良いリストは営業活動の効率を大きく左右する

新規開拓リストが重要な理由として、リストの質が営業活動の効率を大きく左右することが挙げられます。

そもそも新規開拓リストは、営業活動の作業効率を高めることを目的としたものです。営業リストの質が良いほど、少ない労力で大きな成果を得やすくなるといえるでしょう。

営業担当者のモチベーションにも影響を与える

新規開拓リストの質は、営業担当者のモチベーションにも関わってくるため重要です。

質の良いリストを使えば、営業活動が効率的に進みます。手間ひまをかけなくても目標や売上を達成しやすくなるため、担当者のモチベーションがアップし、やる気の維持にもつながるでしょう。

逆に、質が悪い新規開拓リストを使っていると、作業効率の低下につながります。時間ばかりがかかり、アポ取りをしようとしても相手に会えないなど、営業活動を行いにくくなり、目標の達成が難しくなる傾向があります。

その結果、リストの整理や精査などに時間をとられ、営業担当者のモチベーションが低下してしまうことになるでしょう。

新規開拓リストの作り方(集め方)

新規開拓リストを作るためには、まず企業情報を集める必要があります。

まずは以下で紹介する情報収集のやり方を参考にし、自社の顧客獲得の手法に合わせながら、質の良いリストを作っていきましょう。

企業の公式ホームページから収集する

新規開拓リストを作る情報を集める基本的なやり方として、企業の公式ホームページを活用する方法があります。

多くの企業が公式ホームページにおいて、自社PRのために情報を公開しています。リストを作る方法としては、会社概要のページに記載されている情報を抽出し、データ化するだけです。

企業の公式サイトを活用するため、通信料以外にコストがかかりません。そのかわり、データ収集や抽出に手間と時間がかかります。

最新の発行物(新聞・四季報)から収集する

新聞や四季報など、最新の発行物から企業情報をデータ化するのもひとつの手法です。

公式の発行物であれば、オフィシャルな情報として活用できます。企業の公式ホームページよりもピンポイントな情報を集めることができるため、受注率を高めるのに役立つでしょう。

新聞の場合は日刊紙を購入するほか、オンラインで確認できる縮尺版を活用しても良いでしょう。無料で閲覧できる、記事検索サービスも役に立ちます。企業の執行役員の情報を収集する場合は役員四季報を活用するなど、情報にあわせて発行物を選んでください。

発行物からのリスト作成は比較的コストのかからない方法ですが、手間と時間がかかるため、規模の小さいリスト作りに向いています。

求人情報や電話帳から収集する

求人情報紙やサイト、電話帳、タウンページから企業情報を収集することもできます。

多くの企業は、取引先や求職者を集めるために幅広い情報を掲載しています。公式ホームページよりも情報の網羅性が高く、効率良く新規開拓リストの作成ができるため、リスト作りにかかる作業時間を削減することが可能です。

その反面、求人情報や電話帳からのデータの抽出には多くの人手と手間がかかります。また、事業内容といった詳細情報がほとんど記載されていないケースもあり、核心部分の情報を得にくいこともあります。

自社のデータベースを活用する

会社がこれまで蓄積してきた取引先や関連企業のデータベースを利用して、新規開拓リストを作成する方法もあります。

費用もかからず、名刺やメール、セミナー参加者の情報、問い合わせ情報など、さまざまなデータがリスト作りに活用できます。

会社のデータベースに情報がある企業は、なんらかの形で自社へ関心を寄せているケースが多いです。そのため営業のコンタクトがスムーズにすすみ、大きな成果が期待できるでしょう。

とはいえ、すでに顧客になっている可能性もあるため、ターゲットの絞り込みや情報の選別が必要です。

良質な新規開拓リストを作成するためのポイント

新規開拓リストは、自社にマッチしたターゲットを正確にリスト化して初めて役立ちます。情報が正確でなければ、かえって業務効率が低下する要因になります。

業務効率化を助ける良質な新規開拓リストを作成するためには、4つのポイントにもとづいて作成や精査することが重要です。最後に、新規開拓リストの質を向上させる、4つのポイントを紹介します。

リストの情報が新しいこと

第1に重視すべきポイントは、電話番号や住所などリストの情報が正確で最新のものかどうかです。企業はさまざまな理由で、オフィスの引っ越しや電話番号の変更を行います。

たとえば大企業の場合、代表的なブランド名で認知されつつも、実際は事業ごとに分社化しているケースは珍しくありません。目的の企業へ電話したつもりが、同じ番号を引き継いだ新規事業部や子会社となれば、自社のイメージに影響します。

テナントを利用していれば他社に入れ替わっている場合もあるため、最初に目についた情報を鵜呑みにするのは危険です。電話帳やプレスリリース、コーポレートサイトなど、さまざまな情報を照らし合わせてリストを更新しましょう。

営業間のリストに重複がないこと

第2のポイントは、リストの重複を避けることです。複数のリソースから得た情報をまとめると、内容が重複しやすくなります。幅広く情報を入手することは重要ですが、リストの重複を起こさないよう注意しましょう。

重複したリストを利用すると、同じ企業へ複数回アプローチする可能性があります。受け付けた相手が同一人物の場合、自社のイメージを悪化させてしまうおそれもあるでしょう。1回目で好印象を残せたとしても、2回3回と繰り返し同じ営業電話がかかってくれば、契約を検討してくれなくなります。

リストの重複や同じ企業へ繰り返し営業してしまうトラブルの要因は、2つです。

・内容の重複による再営業
・同一企業の表記ゆれによる重複

リストの重複や同一企業の表記ゆれは、リスト作成時の確認不足が原因です。同じ情報を重複して掲載している場合もあれば、同一企業を1回目は英語名で記載して、2回目はカタカナ表記している場合もあります。

同じリストを複数名で使用している場合は、担当者同士の伝達ミスにも注意しましょう。担当範囲を誤解していると、リスト自体に問題がなくとも営業の重複が生じます。

自社ターゲットに沿ったリストになっているか

第3のポイントは、営業の効率化に欠かせないターゲティングです。新規開拓リストには、自社ターゲットに沿った企業のみを記載すべきです。他社にリスト作成を依頼した場合だけではなく、自社で作成した場合も、改めて内容を確認しましょう。

メインのターゲット層でなくとも、タイミングが合えば契約に結び付くことはあります。しかし営業効率を考えると、ターゲットに絞り込んでアプローチしたほうがスムーズに営業活動を進められます。

経営戦略の理由で方針転換を決めているのでない限りは、自社の商品・サービスの対象から大きく逸脱しないターゲットをリストアップすると良いでしょう。

新規開拓する層を決めるとき、重視すべき点として「ニーズ」と「メリット」が挙げられます。自社商品・サービスや競合のニーズがある業界か、購入してもらうと相手にどのようなメリットがあるかを念頭にターゲットを絞り込む必要があります。

無計画に新しい業界を攻めるのではなく、ニーズやメリットがある層に絞り込んで新規開拓リストを作成することが成果を得るコツです。

使用する前にリストの精査が行われているか

第4の重要なポイントは、リストの精査が行われていることです。精査せずリストを使用すると、重複やターゲティングミスなど前述したトラブルが生じやすくなります。

同一企業が英語やひらがな、カタカナなど異なる表記で複数記載されていないか、電話番号やオフィスの住所は最新か、使用前に必ず精査しましょう。1件ずつ情報を確認しながら営業活動をしていては見落としのリスクもあり、非効率です。

事前に精査して、営業担当者はリストどおりにアプローチするだけで済むように手配すれば、効率的に営業活動できます。営業効率を重視するのであれば、きちんとリストの精査を行いましょう。

新規開拓用のリストを精査するときのポイントは、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひあわせてご参考ください。

【営業担当者向け】営業リスト精査のポイント

まとめ

新規開拓リストは、新規顧客獲得の成功率や営業効率を大きく左右します。営業担当者のモチベーションにも影響を与えるため、自社のターゲット層や顧客獲得方法に合う、質の高い新規開拓リスト作りに取り組みましょう。

社内でのリスト作りが難しい場合や、効率良くリストを作りたいときは、自動作成ルールの活用をおすすめします。

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