受注確度とは?
受注確度は、自社の商品やサービスを購入する見込みがどの程度あるかを判断する指標のひとつです。
購入する見込みが高いと「受注確度が高い」、低いと「受注確度が低い」と判断し、度合いに応じて営業スタイルを変えることができます。
受注確度はほかにも「商談確度」「案件確度」「契約確度」「ヨミ」と呼ばれ、言葉に違いはあるものの、各企業や業界で売上に大きく影響する指標として重要視されているのです。
受注確度をより正確に把握できれば、見込み客の優先順位なども判断しやすくなり、より戦略的な営業活動が実現するでしょう。
受注確度を管理するメリットと重要性
営業活動において、見込み客から成約が取れないことは大きな利益損失につながります。受注確度を正しく管理することで、顧客の満足度を上げ、成約率を向上させることが可能です。
ほかにも、受注確度を企業内で管理することで、以下のようなメリットがあります。
営業活動を注力するターゲットが明確になる
営業活動で利益を上げるには、受注確度の高い顧客に絞ってアプローチをかけることが重要です。
そのため、営業活動においては単純に自社商品やサービスの紹介をするだけではなく、顧客のニーズを適切にキャッチアップすることも大切です。
しかし、すべての顧客の課題や求めているものを正確に把握するのは簡単ではありません。特に、営業担当者一人ひとりの考えや感覚だけで営業活動を行っていると、それぞれが認識している顧客ニーズにバラつきや偏りが生じます。
一方、受注確度を管理しておくと、課題解決の優先順位や必要性の高い顧客を把握しやすくなるでしょう。客観的に注力すべきターゲットが明確化でき、主観に依存せず誰でも最適な判断ができるようになります。
柔軟で戦略的な営業が可能に
営業で成果を上げるには、顧客の状況に合わせた提案が重要です。
受注確度を管理しておくと、見込み客に応じて適切なアプローチ方法を選択することができます。
例えば、確度が高い場合は他社製品と比べての優位性をアピールし、自社が選ばれるよう積極的にアプローチする方が効果的な会社もあるでしょう。
反対に、確度の低い見込み客には、必要性が高まった際に自社が選ばれるよう、コミュニケーションや信頼関係構築を重視した営業スタイルが適しているかもしれません。
どの確度の顧客を重視すべきか、新規開拓をメインにするかなど、営業活動の方向性やタイミングを把握するためにも役立つ指標となります。
また、企業の営業活動に応じて、訪問や電話、メールでのアプローチなど、手法を判断する基準にもなるでしょう。
売上予測の正確性が向上する
営業職は企業の売上に密接に関係していることもあり、できる限り正確に状況判断しながら経営を支えなければなりません。
受注確度を管理することで、売上予測の正確性が向上します。
売上という指標からも、「見込み客を新規開拓すべきタイミングか」「受注確度の高い顧客に注力すべきか」などの判断ができるため、より正確な営業戦略が立てられるでしょう。
また、予測の精度が上がることで、適切な目標設定も行えます。
営業活動の成功には、KPI設定も重要です。例えば、商談数や受注率、架電数などが当てはまります。このとき、受注確度が明確になっていれば、ある程度達成が見込める範囲での目標設定が可能です。商談設定やヒアリングにかける時間の設定など、現実的な計画を立てることができます。
進捗ごとに最適なマイルストーンを設定できるため、より成果につながりやすくなるでしょう。
受注確度の管理方法とポイント
受注確度を管理するには、社内で統一された基準があることが大切です。「BANT条件」を基準に管理するのがよいでしょう。
BANT条件をもとに受注確度の基準を作る
受注確度の判断を統一する際に用いられる基準が「BANT条件」で、下記の頭文字から作られた指標です。
・Budget(予算):予算が十分にあるか、または準備できるか
・Authority(決裁権):誰が決裁権を持っているのか、商談相手に決裁権があるのか
・Needs(必要性):何が必要か、自社製品やサービスはどの程度必要か
・Timeframe(導入時期):いつまでに導入したいか
すべての条件を満たしていれば、受注確度が最も高い状態だと判断できます。
BANT条件を用いることで、主観による判断だけではなく、同じ基準による統制がとれるため、より効率的な営業活動にもつながるでしょう。
受注確度の高さでリストを作成する
受注確度の高さごとに、見込み客をグループ化してリストを作成すると、情報を視覚化できて効率的に状況を把握できます。
BANT条件を基準にする場合は、当てはまる項目の数などによって区別すると良いでしょう。企業のノウハウや指標を組み合わせて、より細分化したグループ分けを行うことも効果的です。
たとえば、以下のようなランク付け方法があります。
A:受注確度9割以上。BANT条件のうち3つ以上の条件を満たしている。
B:受注確度5~7割程度。BANT条件のうち1〜2つ以上の条件を満たしている。
C:受注確度2割程度。BANT条件のうち1つのみ条件を満たしている。
作成したリストから営業方法を戦略的に検討することができ、状況に応じて柔軟なアプローチもしやすくなります。
リスト作成や管理に役立つツールを導入する
営業活動において受注確度を管理する場合は、共有や最新情報を盛り込めるツールの活用がおすすめです。
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受注確度の管理を効率化するツール
受注確度の管理を効率化し、営業活動を最適化するためには、ツールの導入が役に立ちます。
ただし、適切なツールの選択は企業のニーズや予算、業界によって異なるため、事前に様々なツールの評価の確認や比較を行うことが重要です。
ここでは受注確度の管理を効率化するツールを4つ紹介します。
CRMツール(顧客関係管理)
CRMとは、Customer Relationship Managementの頭文字をとったもので、顧客情報や営業活動を一元管理するためのツールです。
受注確度に関連する情報(顧客情報、商談ステージ、見込み額など)を追跡し、営業チーム全体でリアルタイムに共有することができます。
具体的なツールとしては、Salesforce、HubSpot、Zoho CRMなどがあります。
営業支援ツール
営業支援ツールは、営業活動を効率化することで受注確度の向上に役立つツールです。営業プロセスの自動化、タスク管理、リマインダー、レポート作成などの機能を提供します。
具体的なツールとしては、Pipedrive、SalesforceのSales Cloud、HubSpot Salesなどがあります。
受注予測ツール
受注予測ツールは、受注確度を予測し、将来の受注量を見積もるためのツールです。過去のデータや顧客行動を分析し、予測モデルを構築することで、受注確度を予測できます。
具体的なツールとしては、Clari、InsightSquared、Anaplanなどがあります。
プロジェクト管理ツール
受注確度の高い案件の実行や進捗管理を効率化するために、プロジェクト管理ツールを活用してみるのもおすすめです。
機能としてはタスク管理、スケジュール管理、コミュニケーション機能などが挙げられます。
代表的なツールとしては、Trello、Asana、Basecampなどがあります。
受注確度を上げる方法
最後に受注確度を上げる方法を3つ紹介します。
マーケットリサーチとターゲットセグメンテーション
まずは、マーケットの需要や競合状況を把握し、市場における自社のポジションを把握する必要があります。
さらに、顧客の属性やニーズ、傾向などをグループ別に細分化(セグメンテーション)し、自社の商品・サービスを売る対象をターゲットとして特定(ターゲティング)します。
こうしたターゲットセグメンテーションを実施することで、人材・資金・情報などのリソースを効果的に集中する営業戦略を展開し、受注確度を高めることができます。
顧客との信頼関係の構築
顧客との信頼関係を築くことは、受注確度を向上させるために非常に重要です。顧客とのコミュニケーションを積極的に行い、顧客のニーズや課題を理解し、解決策を提供します。
迅速かつ効果的なサポートを提供することで、顧客満足度を高め、受注確度の向上につながります。
営業プロセスの改善と効率化
営業プロセスの改善により、受注確度を向上させるための時間とリソースを最適化することができます。
そのためには、営業チーム間で情報共有するためのツールやシステムを導入することも有効です。
まとめ
受注確度は、購入や契約につながる可能性がどの程度あるのかを判断する指標で、営業戦略や注力すべきターゲットを明確化するために重要です。
基準にはBANT条件が用いられることが多く、集めた情報からグループ化やリスト作成することで、受注確度が活用しやすくなります。
さまざまなタイプのリストを用意する場合には、専用のツールを利用すると効率的でおすすめです。