営業代行の契約書は何を確認すべき?リスクを避ける注意点を解説

社内に営業部門やノウハウがない企業や、人手が足りない企業において、営業代行は有用な手段です。しかし、初めてサービスを導入する場合は不安な面もあるでしょう。 特に契約書は、自社が不利になる可能性もあるため、念入りに確認する必要があります。本記事では、営業代行の契約書を交わす際に、確認すべきポイントや注意点を解説します。


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営業代行の依頼時に交わす契約書とは?

営業代行を依頼する際は、代行を担ってもらう企業もしくは個人と業務委託契約を結ぶのが一般的です。

基本契約書には、契約の目的・契約期間・更新方法・報酬規定・契約解除や損害賠償についてなど、一般的な契約書に記載されるような事項が記載されています。

個々の取引ごとに定めたい事項がある場合は、必要に応じて、個々の取引内容・営業の種類などが記載された個別契約書を交わすケースもあります。基本契約と個別契約の双方を締結する場合は、トラブルを避けるため、基本契約書で以下の内容を定めておきましょう。

・個別事項は個別契約で定めること
・契約内容に齟齬が発生した場合は基本契約(もしくは個別契約)を優先する

営業代行の契約書で確認すべきポイント

営業代行の契約書は、一般的に営業代行会社が用意します。締結後のトラブルを避けるためにも、契約書に記載されている事項はしっかりとチェックしましょう。

ここからは、契約書で確認するべきポイントについてご紹介します。

委託業務の内容・範囲が明確になっているか

委託業務の内容と範囲が明確に記載されているかを確認しましょう。

営業といっても具体的な業務内容は多岐にわたり、営業手法も異なります。そのうち、どの内容を請け負う(委託する)のか明確に示しておかなければなりません。

例えば、訪問営業をかけるのか電話で営業をかけるのか、企業もしくは個人をターゲットにするのか、どのエリアで営業するのかなど、決めるべきポイントは数多くあります。

ほかにも、営業リストの作成や報告書の作成、ニーズの分析など、営業に付随する業務も委託範囲内なのか決めておきましょう。

業務範囲が不明瞭だとトラブルにつながりやすいため、重要なポイントといえます。

報酬額や支払方法・時期が明確になっているか

報酬額はもちろんですが、どのように、いつ支払われるのかチェックしておきましょう。料金体系は営業代行会社によって異なり、月額報酬(固定報酬)型・成果報酬型・複合型に分かれます。

各料金体系の具体的な説明は、以下の記事でご紹介しています。
営業代行の費用相場とは?料金体系ごとのメリット・デメリットを比較!

また、交通費や通信費などの経費は、「費用に含まれる」のか、「実費を支払う」かたちになるのかも明確にしておきましょう。

報酬に関する項目はトラブルに発展しやすいため、隅々までじっくりと確認してください。

報告に関する取り決めが記載されているか

営業の代行を依頼している間、進捗状況や施策の結果などの情報共有がきめ細かな代行会社なら、安心して依頼できます。

できる限り営業代行の進捗状況を共有してもらえるように、契約書に報告に関する取り決めがあるか確認しておきましょう。

業務報告の内容や項目、連絡手段、指導方法など、どのように報告してもらうか、具体的に定めておくのがおすすめです。

秘密保持契約の記載があるか

営業代行を依頼する際には、自社の商品情報やマーケティング情報、営業戦略といった社内の機密情報や、顧客の個人情報などの資料を代行会社に提供するケースもあります。

万が一こうした機密情報が外部に漏れれば、企業としての信用の失墜や金銭的コストの発生、優位性の損失など、さまざまなリスクが発生します。

そのようなリスクを回避するためにも、営業上知り得た機密情報を事前承諾なく、第三者に漏らさないように秘密保持契約を交わしましょう。

しかし、あまり制限を多くしてしまうと営業活動の妨げになってしまう場合もあるため、必要に応じて秘密情報対象外の記載も検討してください。

営業代行の契約書を締結するまでの流れ

次に、契約締結に至るまでの一般的な流れをご紹介します。

営業代行会社を比較・検討する

営業代行を行っている企業は数多くあります。サービス内容や料金体系もそれぞれ異なるため、複数の企業を比較した上で自社にぴったりな代行会社を選びましょう。

比較するポイントとしては、以下のような項目が挙げられます。

・得意分野
・実績、評判
・料金体系
・情報共有のきめ細やかさ
・スタッフの経験、知識

特に、これまでの実績や評判、得意分野は重要です。同業や類似サービス・商材を扱う企業の導入実績があれば、自社のサービス・商材に関する一定の知見がある可能性が高く、成果が期待できるでしょう。

一方、自社の営業方針と反した営業活動をしている場合、自社のイメージやブランドを損ねるリスクも考えられます。中には質の低い営業を行う代行会社も存在し、強引にアポを取る、実態とは異なる好条件を提示するなどで、クレームが発生するケースがあります。

複数の代行会社のホームページや資料請求、問い合わせ、見積もりなどから、情報を収集して比較検討したうえで、依頼する一社を絞り込みましょう。

打ち合わせする

依頼したい企業を選定できたら、打ち合わせを行います。

打ち合わせの際は、下記のような契約書に記載すべき項目に関して、認識をすり合わせましょう。

・委託業務の内容や範囲
・報酬の金額や料金体系
・支払い時期
・経費の扱い
・報告に関して
・秘密保持

特に、何を成果として費用を支払うかのすり合わせは大切です。商談獲得を成果とするのか、商談成立を成果とするのかなど、互いの認識を確認してください。

また営業代行のホームページではわからなかったことや、聞いておきたい質問なども、打ち合わせの際にしておきます。

事前にまとめてメモしておき、聞き漏らさないようにしておくと安心です。

契約書を提示してもらう

打ち合わせが完了したら、契約書を提示してもらいましょう。

提示された契約書の内容と、事前の打ち合わせ内容に相違がないか、認識違いがないかなどくまなくチェックしてください。

営業代行業者から提示されるのが一般的ですが、場合によっては、自社で契約書を作成して提示する場合もあります。

契約書の内容を調整し締結する

契約書の内容を精査して、問題がなければ書面もしくは電子契約で締結します。

もし内容に不備や不安点があれば調整を行いましょう。万が一、情報漏洩などのトラブルが発生した際も、契約書に明示されていない場合や、もともと不利な内容になっていた場合は、責任を追及できないかもしれません。

社内の法務担当者や、法律の専門家にリーガルチェックを依頼することをおすすめします。

営業代行を依頼する際の注意点

営業代行を依頼する際に、覚えておきたい注意点をふたつご紹介します。トラブルに発展しないように、事前に確認しておいてください。

解約の条件も確認しておく

契約前は、解約の条件や契約期間について確認しておくことが大切です。特に、「代行会社が違反行為を行ったときは解約金なしで一方できる契約解除ができる」ことについては、契約書に盛り込んでおきましょう。

そのほか、確認しておくべき事項は以下のとおりです。

・短期契約か、長期契約か
・中途解約で解約金が発生するか
・契約解除の条件となる違反行為とは何か

中途解約の場合、基本的に解約金が発生します。長期契約のほうが低料金であることが多いですが、安易に締結するのはリスクをともないます。そのため、できるだけ短期契約から始めるのがおすすめです。

また、契約解除の条件について、公序良俗違反による契約解除の条項は契約書に盛り込んでおきましょう。違反行為によって自社が損失を被った場合は、損害賠償請求ができることも記載しておくと安心です。

収入印紙が必要か確認する

基本的に契約書を作成すると、作成者が負担する形で印紙税が発生します。契約金額に応じて、印紙税の額は以下のように異なります。

・1万円未満:非課税
・1万円以上~100万円以下:200円
・100万円超~200万円以下:400円
・200万円超~300万円以下:1,000円
・300万円超~500万円以下:2,000円

出典:「No.7102 請負に関する契約書」(国税庁)

なお、業務委託契約は準委任契約と請負契約に大別されますが、準委任契約の場合、印紙は不要です。

またどのような契約でも、電子契約であれば収入印紙は不要となります。

出典:事前照会者の求める見解となることの理由(国税庁)

まとめ

営業代行を依頼する場合、契約書の内容は隅々までチェックし、自社に不利な内容でないか、不備はないかを確認しましょう。すぐにはサインしないのが鉄則です。

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