営業の属人化を止めたい!属人化の原因とリスク・解消策を解説

成果主義を導入し組織改革を行えば、業績アップが期待できます。しかし、業績があまり伸びなかったり、逆に下がったりする企業もあるでしょう。そんな場合、営業の属人化が起こっているのかもしれません。今回は、営業の属人化が起きる理由や属人化がもたらすリスク、具体的な解消策について解説します。


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営業の属人化が起きてしまう原因

営業の属人化は、主に次のようなことが原因で起こります。

情報共有の体制が整っていない

属人化が起きている原因として、情報共有をする仕組みを持っていないことがあげられます。共有体制が整っていなければ、各社員が自発的に情報共有しない限り、独自のスタイルで営業活動をすることになります。

また、情報共有をするためのツールが整備されていないことも要因のひとつです。顧客情報や営業の進捗を一括で管理できるツールがない限り、メンバー全員が各自の情報を共有・蓄積することが難しくなります。

営業活動が忙しすぎる

営業の仕事は、やることが多くマルチタスクになりがちです。新規開拓営業や営業アプローチをする傍ら、既存の顧客との商談もこなす必要があります。

営業活動が忙しすぎて時間的余裕がないと、情報共有にまではなかなか手が回りません。
また、自分に比較的時間に余裕があるときでも、ほかの社員が忙しくて情報共有のための時間がとれないこともあります。

そのような状況が慢性的に続くと、営業活動は属人化してしまいます。

自分の立場を守りたい意識がある

適切に情報共有されていれば、営業メンバー全員の営業成績が上がり、営業部門全体としても売上が向上する可能性が高まります。

しかし、一部の営業担当者は、ほかのメンバーへのノウハウ共有には消極的になってしまうことがあります。これまで自分にしかできない仕事だったのが、ほかのメンバーもできるようになると社内での地位や立場を守れなくなるためです。

自分の営業成績を維持するために、有益な情報を独り占めしたいという意識を持ってしまうかもしれません。

組織の目標はあっても、メンバー全員で達成しようとする意識が低いことも要因のひとつです。営業職の場合には歩合給やノルマなどを設定しているところも多く、どうしても、自分の営業成績に重点が置かれがちです。

営業の属人化によって起こりうるリスク

営業が属人化すると、次のようなリスクが起こる可能性があります。

新人育成ができない

営業が属人化していると、新人は必要な情報やノウハウを得る手段がありません。ごく基本的なことは先輩社員が教えてくれるかもしれませんが、営業成績をアップさせるためのコツやノウハウなどは共有されないままになりがちです。

新人にとっては、営業成績が振るわず、モチベーションの低下につながってしまいます。ひどい場合には離職の原因にもなり、結果的に人手不足に陥りかねません。

営業活動が不透明になる(ブラックボックス化する)

営業が属人化すると、取引先とのやり取りについて、担当者以外ではわかりづらくなり、ブラックボックス化してしまいます。上司にとっては詳しいことがよくわからず、マネジメントがしにくくなります。

取引先とのやり取りを把握できないと、担当者が異動・退職となった際に、後任者への引き継ぎもスムーズにいきません。

担当者が不在のときには、クレーム対応も難しくなります。ほかのメンバーは、クレームに至るまでの経緯を正確に把握できません。的外れな対応をしてしまい、取引先からの信用を失ったり、顧客離れにつながったりする可能性があります。

トップセールスの退職で組織が瓦解する

トップセールスパーソンが引き抜きなどで退職してしまった場合にも注意が必要です。ノウハウが共有されていないため、ほかのメンバーだけで同じ売上を維持するのは困難です。

また、トップセールスパーソンがこれまで担当していた顧客を転職先に持っていってしまうこともあります。そうなると、企業にとってはかなりの痛手です。組織として業績を維持するのが厳しくなります。

営業の属人化を解消するための方法

営業の属人化を解消するためには、次のような方法を実践する必要があります。

評価制度を見直す

評価制度が原因で、営業の属人化が起こっている企業も多く見受けられます。ノルマを課したり、売上の数字だけを評価対象にしたりするやり方だと、どうしても属人化を招きかねません。その場合は、定性的な評価を取り入れるのがおすすめです。

例えば、評価制度にチームへの貢献度を含めることで、個人プレーを防げます。各メンバーが周囲と協力しようとする意識が芽生えるため、情報共有もスムーズに進められます。

営業組織の目標を設定する

チームでの目標を設定し、チーム全体での達成を目指す方法も効果的です。目標達成のためには、自分の営業成績だけでなく、ほかのメンバーの営業成績も上げる必要が出てきます。営業成績の良いメンバーは、ノウハウの共有に対し積極的になってくれます。

あわせて、個人のノルマの廃止や数字にとらわれない目標設定を検討してみましょう。自分の立場を守ろうとする状況がなくなれば、情報共有が進みやすくなります。

営業組織体制を整備する

属人化解消のために、人員配置を見直してみるのもおすすめです。1人の担当者以外は誰も対応できない、誰も知らない状況を回避できるような体制にする必要があります。

例えば、2人1組で営業活動をする体制なら、対応できるメンバーが最低でも2人いることになり、属人化を防止できるので安心です。加えて、新人教育を行える組織体制もあわせて整備していく必要があります。

営業体制を整えるにあたって、「DX営業支援」を活用するのもおすすめです。貴社専用のマーケティングチームを作り、独自開発のDXツールにより、新規アポ獲得を狙います。リスト収集からアポ取りまで一貫して代行するため、営業活動の効率化も実現できます。

営業活動のプロセスを見える化する

顧客情報を共有し営業活動のプロセスを見える化してみましょう。営業支援ツールを導入すれば、見える化しやすくなります。

さらに、営業活動のフェーズを定義し、それぞれのフェーズのなかで何をするのか具体的に取り決めをしておくと効果的です。

メンバー同士でお互いに進捗状況が把握できるようになり、営業のノウハウも共有されやすくなります。

営業プロセスの見える化について、下記の記事をチェックしてみてください。

【営業力強化】営業プロセスの見える化を実現する3つのステップ

情報共有のプラットフォームを整備する

各メンバーの営業活動をスムーズに情報共有できるよう、プラットフォームを整備しましょう。具体的には、顧客リストを作成したり、進捗管理したりするツールを導入するのがおすすめです。

Excelで管理する方法もあるものの、ほかのツールとの連携がしづらく、最新の情報を把握しづらいのがデメリットです。

専用のツールであれば、誰もが簡単に情報を共有しやすくなるほか、リアルタイムで最新情報を得られます。

営業リストを活用する3つのメリット!リスト作成・購入ツールを紹介

まとめ

営業の属人化は、情報共有しやすい体制が整っていないことや、メンバーが情報共有に消極的なことなどが原因で起こります。営業の属人化が進むと、新人の離職率が高くなるなどリスクがあり、組織にとってはマイナスです。

評価制度の見直しや、組織体制の整備などの対策を実施すれば、属人化は解消できます。風通しの良い組織となり、営業活動の向上、離職率の低下にもつなげられます。