営業のロープレとは?実施メリットと具体的な進め方を解説

営業スキルを高めるためには経験が重要です。しかし、新入社員や配属されたての営業担当者が実際の商談のみで十分な経験を積むことは困難といえます。 営業ロープレは、商談を疑似体験できるため、新人教育や営業担当者のスキル醸成において効果的な営業教育の方法です。では、営業ロープレの効果を最大化するためには、どうしたら良いのでしょうか。 今回は、営業ロープレを実施するメリットと、具体的な進め方についてご紹介します。営業ロープレを実施しているものの、あまり効果を感じておらず、効果的な営業ロープレを実施するコツを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。


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営業ロープレを実施する意味とは

営業ロープレは、主に新人営業担当者の教育に用いられる手法です。教育担当者が顧客役を担当し、新人営業担当者が営業役を担い、実際の商談を疑似体験するものです。

現場の雰囲気をイメージできること、様々なシーンを体験することでスキルアップが期待できるなどのメリットがあります。新人のほかにも、中堅の営業担当者のスキルアップを目的として用いられることもあります。

しかし、「営業ロープレより、実際の営業を体験する方がいいのでは」と、ロープレの効果に疑問を持つ教育担当者もいるのではないでしょうか。

ここでは、商談シミュレーションによるスキルアップや営業ロープレが必要とされる理由についてご紹介します。

営業ロープレ=商談のシミュレーションによるスキルアップ

営業ロープレは、教育担当者と新人営業担当などが、それぞれの役割に分かれて行う商談シミュレーションです。実践的な研修を通して、営業の型を理解したり想定される営業トークを習得したりすることを目的にしています。

営業ロープレは、新人が実際の商談前に行うトレーニングとして効果的です。商談を疑似的に経験することで営業活動の流れを理解し、営業のフレームワークが習得できます。

営業ロープレが必要とされる理由

営業ロープレが必要とされる主な理由は大きく2つあります。

1つ目は営業ロープレの学習効率が高いことです。営業ロープレは実践的な研修のため、現場で使えるスキルを学べます。体験しながら学ぶ方法は身につきやすく、マニュアルでは理解できない細かなニュアンスも覚えやすくなります。

2つ目は、商談に対する緊張感を和らげられることです。商談前に、さまざまなケースを想定してロープレをしておけば、余裕を持って本番に臨めます。「練習しているから大丈夫」と、自分自身を勇気づける武器としても効果的です。

営業ロープレを実施するメリット

ここでは営業ロープレを実施するメリットについて4つ紹介します。

課題点を見出して効率的にスキルアップできる

営業ロープレは、さまざまなシーンを想定して実施できるため、各営業担当者の苦手分野や課題点を見つけやすい特徴があります。課題が明らかになれば、教育担当者はアドバイスしやすくなります。

また、個々のスキルレベルや弱点に応じた指導ができるため、効率的なスキルアップにもつながるのもポイントです。

研修やマニュアルで得られる知識もありますが、ロープレは実践的な研修であるため、スキルを体感的に学べるメリットがあります。そのため、実際の商談にも活用できる、再現性の高いスキルを習得可能です。

第三者の意見を取り入れることでさらにレベルアップできる

営業ロープレは、顧客約、営業役とは別に、第三者に参加してもらうことで、さらなるレベルアップが期待できます。第三者がオブザーバーとして参加すれば、教育担当者は顧客役に集中できます。

また、オブザーバーは顧客役の教育担当者より、客観的なフィードバックが可能です。オブザーバーからの意見をもとに新しい知見の習得も図れます。

商談本番での緊張感を軽減できる

営業ロープレは商談を疑似体験することで、本番での緊張感を軽減できるメリットがあります。営業経験のない新人営業担当者は、緊張状態が続き、本来の力を発揮できずに商談が終わることも珍しくありません。

商談の流れや、顧客との会話などを前もって経験でき、想定される質問への準備もできます。そのため、実際の商談でも本来のパフォーマンスを発揮できるようになります。

営業ロープレの基本的なやり方

営業ロープレの基本的な手順について紹介します。営業ロープレには、開始からフィードバック完了までの一連の流れがあります。

実施する目的を明確にし、場合によっては内容をアレンジすることも大切です。事前にしっかり準備することで、効果的なロープレが実施できます。

テーマとシチュエーションを設定する

営業ロープレでは本番に近いテーマとシチュエーションを設定します。シチュエーションが難しい場合は、実際の取引先をモデルにする方法もおすすめです。商談相手の人格やバックグラウンドなども作り込めばより効果的です。

また、営業担当者に、苦手や克服したい課題がないか事前にリサーチし、課題の解決につながる設定を考えると有意義なロープレとなります。役割についても、教育担当と新人を入れ替えるなどの工夫が必要です。新人が顧客側を体験することで、提案される側の気持ちを理解できます。

効果的なロープレを実施するには、最初の設定が重要です。

ただし、テーマなどを事前に営業役に伝える必要はありません。本番の商談時にも営業担当者は事前調査をします。ロープレも同様に、事前準備の段階で商談先の調査や商品の提案内容の用意をしたり、想定される質問に対するトークスプリクトを作成したり準備しておきましょう。

営業ロープレを実施する

テーマとシチュエーションの設定を踏まえて、ロープレを実施します。

中には、ロープレを恥ずかしがる営業担当者もいます。しかし、効果を得るためには、本番さながらの緊張感をもって取り組むことが重要です。ロープレの目的を伝え、実際の商談と同様に取り組むよう指導しましょう。

フィードバックを実施する

フィードバックは、ロープレ終了後、すぐに実施しましょう。チェックシートを準備しておくと、スムーズにフィードバックできます。

ロープレは、営業担当者の営業スキルの向上が目的です。フィードバックシートは、評価ではなく見つけた課題に対するアドバイスを記入します。

フィードバックは、良かった点と改善点を合わせて伝えるようにします。フィードバックで貶めたり、社員同士で欠点を指摘しあったりするのは、よくある失敗例です。失敗を責められてばかりでは、モチベーションが下がってしまいます。

良かった点は褒めて伸ばし、課題点は具体的な改善方法をアドバイスするとさらに効果的です。

営業ロープレを実施する際のコツ

次に、営業ロープレを効果的に実施するコツを紹介します。営業ロープレを、より有意義なものにするための参考にしてください。

本番さながらの緊張感を持たせる

ロープレの成功のポイントは、本番さながらの緊張感を持たせることです。部署内でロープレを実施するとき、私語が多くなったり恥ずかしがったりして真剣に取り組めなければ、十分な効果は期待できません。

参加メンバーへ真剣に取り組むことや、事前準備をしっかりしておくように伝えましょう。ロープレ参加者で上司にあたる人が、普段の研修とは違った真剣味を見せると、場の雰囲気が引き締まります。

ロープレは短時間を何度も繰り返す

長時間のロープレは、その分フィードバックが膨大になります。しかし、誰しも大量のフィードバックを覚えきることはできません。効果的に実施するためには、短時間のロープレを繰り返しましょう。

ロープレは短時間で区切り、フィードバックは一つのことを明確に伝えることが成功のポイントです。改善点が複数ある場合は、短時間のロープレを何度も繰り返すようにします。

時間や日程は、テーマやシチュエーションを設定するときに、あらかじめ決めておくことが大切です。

新人教育は、組織の営業力強化に必要な要素です。営業強化にSFA・営業代行を検討中の方は、下記の記事をご覧ください。

営業力強化に必要な4つの要素とは。SFA・営業代行の特徴を解説

まとめ

営業ロープレは、実際の商談前の準備として効果的な教育方法です。実践的な流れを体験することで、落ち着いて商談に臨めるようになります。

また、客観的な視点から、課題を見つけることができるためスキルアップも図れます。ぜひ、今回紹介したロープレのコツを参考に、営業担当者のスキルアップを目指してみてください。