新規開拓営業の【10の方法】
新規開拓営業とはこれまでに取引のなかった相手に対して行う営業活動のことです。主に見込み顧客を相手としますが、自社についてまったく知らない状態で話を聞いてもらわなくてはならない場合もあります。
さまざまな方法で関係を構築して、初めての取引を行い、長期的な付き合いに発展させていくことが新規開拓営業の基本的な流れです。新たな取引先を得ると売上増加はもちろん、更なる新規開拓につながります。
ここでは新規開拓営業で活用される手法を10パターン紹介します。
アウトバウンド営業
新規開拓営業の手法はアウトバウンド営業とインバウンド営業の2種類に分けられます。アウトバウンド営業とは、自社からターゲットへ能動的にアプローチすることです。プッシュ型とも呼ばれる手法で、次の4種類が当てはまります。
テレアポ営業
相手の代表電話への架電により直接営業を行う方法です。電話営業とも呼び、場合によっては決裁者や近い立場の人物にアプローチできるメリットがあります。また、電話をかけるだけなので、交通費や移動時間がかからない点もメリットです。
ただし電話営業対策を取っている企業も多いため、必ずしも売上に直結しそうな相手とやり取りできるとは限らない点に注意しましょう。
飛び込み営業
事前にアポイントを取らず、企業へ直接訪問して営業する方法です。担当者がいない場合や、門前払いとなるケースもあります。交通費や移動時間を割かなくてはならない分、営業できる範囲が制限されるのも特徴です。
メリットは訪問することで資料を手渡したり見本品を触ってもらったりして、魅力を直接伝えられる点です。
メール(DM)・フォーム営業
電話営業と同じく、交通費や移動時間をカットできるのがメール(DM)・フォーム営業です。名刺交換を行った相手にメールを送るほか、コーポレートサイトのお問い合わせフォームからメッセージを送る方法も含まれます。
電話営業と比べると、レスポンスが少なくなりやすい点に注意が必要です。レスポンス率を上げるためには、電話営業と併用するのがおすすめです。
手紙(レター)営業
担当者宛てに手紙を送る方法です。テレアポや飛び込み営業の対策をしている企業にも、手紙なら担当者の元に届けられます。また、手書きの手紙だと誠意が伝わりやすいでしょう。
効率を重視するなら手当たり次第に送るのではなく、ターゲットを絞り込んで手紙営業をするのがおすすめです。
インバウンド営業
インバウンド営業は、ターゲットから自社へコンタクトを取ってくれるように誘導する受動的な営業手法です。
アウトバウンド営業に対して、インバウンド営業はプル型とも呼ばれています。
SNS営業
SNSにアカウントを作成して情報発信することで、ファン化や自社サイトへの流入、認知度向上を狙う方法です。狙っていないターゲットや、把握しきれていないユーザー層にもアプローチできるメリットがあります。
情報が拡散されやすい一方で誤った内容や悪いイメージも即座に伝わるため、活用時は対策が重要です。
Webサイト運営
コーポレートサイトやブランドサイトなどを作成して情報発信する方法です。どのようなキーワードで自社サイトに流入しているか分析して運営することで、認知拡大や流入数の増加を狙えます。
SEO施策やWebサイト運営の効果は得られるまでに時間がかかるため、短期的な施策を検討している場合は注意が必要です。
広告運用
従来の街頭ポスターや新聞折込広告などのオフライン広告や、インターネット上のWeb広告も含みます。Web広告は、やり方次第で費用を最小限に抑えつつ特定のターゲットへ効率的にアプローチできる点がメリットです。
一方で広告手法や範囲によっては費用がかかるため、狙う効果やターゲットに合わせて打ち出し方を考えなくてはなりません。
動画を活用する
動画投稿サイトに自社アカウントを作成し動画をアップロードしていく方法です。魅力的な動画を定期的に投稿できれば、ファン獲得を見込めます。
写真や文章では分かりにくい魅力を伝えられるメリットがある一方で、動画制作やチャンネル運用に相応のリソースが求められます。
オンラインセミナー
オンライン会議ツールを活用してセミナーを開催する方法です。自社商品の詳しい取り扱い方法を解説したり、問い合わせにつながるようなテーマのセミナーを開催したりすると売上アップを図れます。
認知度が低い企業の場合は集客でつまずきやすい点がデメリットです。開催準備を進めると同時に、積極的な集客も行いましょう。
オフラインイベント
自社の会議室や外部の会場でセミナーやイベントを開催することも営業手法のひとつです。近年はオンラインセミナーの開催も浸透しつつありますが、直接顔を合わせる方が名刺交換につながりやすくなります。
来場者のみに有益な非公開情報を共有すると、信頼度や集客率の向上が期待できます。
新規開拓営業は難しい!成果が出にくい理由
新規開拓営業は互いに信頼関係がない状態から始まるため、容易ではありません。取り組みに対してなかなか成果が出にくい場合、次のような原因が考えられます。
初対面で営業を行う必要があるから
ルート営業の場合は面識のある顧客と接することになりますが、新規開拓営業では、基本的に初対面の相手に営業を行わなければなりません。
相手と一から信頼関係を築くための、高いコミュニケーション能力が求められます。
広くアプローチする必要があるから
新規開拓営業では、不特定多数を相手に営業活動を行うことが多く、幅広くアプローチする必要があります。
具体的な顧客像が定まっていない状態で営業活動を行わなければならないため、反響が高い顧客の傾向を掴むことは容易ではありません。
結果、メールの送信やテレアポは数を多くこなすだけの、非効率なやり方になることがあります。
アポ取りが難しいから
アポ取りには段階があり、受付担当者が営業先の担当者につないでくれるか、担当者が自社の商品やサービスに興味を示してくれるか、などハードルがいくつもあります。
新規開拓営業となると、初回訪問のアポ取りの段階で断られるケースも少なくありません。
営業の話にもちこめるまでのハードルの高さも「新規開拓営業は難しい」といわれる理由のひとつです。
知識がない人にプレゼンする必要があるから
アポ取りが成功して営業の話を聞いてもらえる時間を確保できても、自社のサービスや商品に関する知識がない人にプレゼンをしなければなりません。
ベースとなる知識がない人に対して理解してもらうのは難しく、営業担当者にはプレゼン力が求められます。
また、商品に関するプレゼンだけでなく、信頼関係を構築するために自社について知ってもらうことも必要です。
プレゼン後のフォローなども含め、知識の定着や信頼関係の維持を図る必要があります。
意思決定までの道のりが長いから
自社の商品やサービスに興味をもってもらい、良好な関係を築くことができたとしても、意思決定者が承諾しない限り契約には至りません。
商談に応対した担当者が決裁権をもっているとは限らないため、決裁権をもつ意思決定者を紹介してもらう必要があります。
意思決定者までの間に複数の担当者を経ることもあり、意思決定者までつないでもらうだけでも一苦労です。
契約にいたるまでのステップの数が多いことも、新規開拓営業が難しいといわれている理由のひとつです。
新規開拓営業を成功させる5つのコツ
営業で新規開拓を成功させるには、顧客獲得につながる糸口を見つけることが大切です。ここからは、新規開拓を成功させるコツや意識しておくべきポイントを紹介します。
既存顧客を分析する
既存顧客が「なぜ顧客になったのか」「どのような導線で獲得できたのか」を分析し、顧客獲得のヒントを絞り込むことは、成功につながるコツのひとつです。
分析結果によって自社の顧客獲得方法の傾向が判断できるため、注力すべき新規開拓の方法が明確になります。
また、既存顧客が自社の商品やサービスのどのような点に惹かれて購入に至ったのか、自社の強みを再確認する手段にもなるでしょう。
新規開拓リストを作成する
新規開拓先のリストを作成し、営業活動の精度を上げることも大切です。いきなり飛び込みで営業をしても新規顧客獲得につながる可能性は低いため、顧客になる可能性が高い企業をリスト化して優先順位をつけましょう。
営業先企業についての情報を分析し、戦略を立てて効果的な営業方法を検討することが成功につながるポイントです。
リストをもとに営業先との信頼関係を構築し、新規開拓につなげるのであれば、自動作成ツールの利用がおすすめです。中小企業庁の調査でもデジタルツールの導入によって業務効率化が進むと、生産性や売上高の向上につながることが明らかになっています。
参考:中小企業庁「中小企業におけるデジタル化とデータ利活用」
営業リスト自動作成ツールは、「リストクラスター」の導入をぜひ検討ください。
リストクラスターは、反響率の高い営業リストを自動で作成することができます。契約期間内であれば、24時間365日いつでも無制限にリスト作成が可能です。
リストから営業メールを一斉送信することも可能なため、新規開拓営業の業務負担軽減や、効率の良い営業活動を進めるのに役立ちます。
「新規開拓営業の成績が思うように伸びない」「営業リスト作成業務が負担になっている」という場合には、ぜひ導入をご検討ください。
商品・サービスのメリットを明確に伝える
営業トークでは顧客が興味を持つようなメリットを中心に伝えましょう。「人気ですよ」「良くなりますよ」と抽象的な解説ではなく、具体的な数値を提示して解説することが重要です。数字は客観的な情報として参考になりやすく、他社商品やサービスに対して優位性を示せます。
KPIを設定する
営業時はKPIを設定して、PDCAサイクルを回すことが重要です。営業活動もデータを取り、こまめに振り返って分析すると、改善点や新たなアプローチ方法を見つけられるでしょう。
信頼関係を築く
人は信頼している相手から商品やサービスを購入したいと考えるのが一般的です。まずは信頼関係を構築して「あなたがそんなにいうなら」と気持ちよく検討してもらえる関係を目指しましょう。
重要なのは第一印象です。身だしなみを整えることはもちろん、伝わりやすい説明、聞きやすい声のトーン、訪問や架電の時間帯など基本的なマナーも意識するとより効果的でしょう。また、定期的なフォローで信頼関係を維持させることも大切です。
新規開拓がうまくいかない場合の対処法
新規開拓営業がうまくいかずに成果が上がらないときは、戦略や手法が適切でないのかもしれません。ここでは、営業課題に関する対処法や解決策を紹介します。
ターゲットを見直す
新規開拓がうまくいかないときは、そもそものターゲット層やアプローチ先が間違っているケースがあります。新規開拓できなかった企業の反応や意見を分析し、売りたい商品、サービスのニーズがあるのかどうかを確認しましょう。
また、既存顧客はどのような傾向があるのか、どのターゲット層に分類できるのかも改めて分析し、条件に合わない企業やユーザーをあぶり出します。ターゲットにすべき属性を深堀し、方向性をもう一度検討してみてください。
フォローアップが適切か確認する
新規開拓の営業では、見込み客へのフォローアップも重要です。適切なフォローや、継続した情報提供などのプロセスがしっかりと実行されているかを確認しましょう。
成約につながりそうな確度の高い見込み客に対して、後追いができていなければ成約を伸ばすことはできません。
顧客情報の管理・分析をしっかり行う
新規開拓では、顧客情報の管理がなによりも重要です。
既存顧客を含め、何らかの接点を持った相手の管理すべき情報は、企業(顧客)名や連絡先だけではありません。
・営業履歴(電話・メール・訪問などに日時、場所、会話内容、顧客の反応)
・購買履歴(過去に購買・利用した商材名・金額など)
・問い合わせ履歴(顧客からの問い合わせ履歴)
・サポート履歴(アフターサポートの経緯や実施内容)
など顧客に関係するさまざまな情報が管理されているか確認しましょう。
詳細な情報があれば、営業時にスムーズな会話ができ、成約につながる可能性が高まります。逆に情報不足だと、多くの顧客の中から複数の施策を実行する際に、混乱を招くおそれもあるのです。
また、新たな営業リストを作成する際には、既存顧客の中から成約率の高い顧客の傾向を分析できていれば、確度の高いリスト作成が可能です。
営業支援ツールを利用する
近年、属人化しやすい営業の業務効率化を図るため、多くの企業でSFAと呼ばれる「営業支援ツール」が導入されています。そのため、日本国内だけでも、多くのSFA(Sales Force Automation)ツールがリリースされているのです。
営業支援ツールでは、案件管理や顧客管理などをスムーズに行う機能が付帯されており、営業活動の一部を自動化、効率化できます。
新規開拓営業では、営業リストが重要な鍵となります。詳細な情報を蓄積し、有効活用することで、新規開拓の成約率を高められるので、営業支援ツールの利用を積極的に検討してみましょう。
営業リスト作成の効率化を考えている場合は、下記の記事もぜひご覧ください。
「おすすめの【営業リスト作成ツール】4選!料金と特徴を解説」
まとめ
新規開拓営業は、企業にとって顧客獲得や利益向上につながる重要な業務です。とはいえ、新規開拓営業の難易度は高く、成功させるには既存顧客の分析、新規開拓リストの作成、信頼関係の構築の3つが重要です。
営業リスト自動作成ツール「リストクラスター」では、反響率の高いリストを簡単に作成できます。リスト化した企業のデータをもとに、アプローチ方法などを戦略的に検討してみてはいかがでしょうか。