営業支援とは?
営業支援とは、営業活動を最大限に効率化し、営業部門のコア業務に割く時間を増やすための施策です。営業担当者は、電話営業や商談などの営業活動のほかに、商談資料や上司への報告メール作成など、様々な雑務に追われています。日中に外出している営業担当者は、これらの雑務を訪問後に行う必要があります。
営業支援は、営業活動に直結しないその他の業務を受け持ち、営業コアタイムを増やすことが目的です。また、営業支援によりこれまで見逃されていた営業部門の課題が明らかになり、業務改善にもつながります。
営業支援によって営業コアタイムが増えれば、商談に向けた準備に時間を割くことができ、営業効率の向上はもちろん、成約率アップも期待できます。営業の効率化は営業部門の生産性向上を叶えてくれるため、営業支援の評価にもつながる重要な要素です。
また、営業支援によって売り上げアップが叶うと、営業支援に対する予算も増え、さらに業務と営業が効率化されるという好循環も期待できます。営業支援は個々の営業担当者を支援することによる営業組織の強化が期待できる取り組みともいえます。
営業支援を実施するメリット
営業支援は営業コアタイムを増やすことが目的ですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、営業支援を実施するメリットをご紹介します。
モチベーションが高く保たれる
営業支援の強力なサポートによって、営業担当者がコア業務に集中できる時間が増えれば、成績アップが期待できます。営業担当者のモチベーションの高さは、売上の成績による影響が少なくありません。営業で成果が出れば、目的達成への意欲が増し、さらなる成績アップも期待できます。
また、社内に高いモチベーションの人材がいると、周囲の営業担当者も影響を受け、意欲が刺激される相乗効果も生まれます。コア業務へ集中できる環境が整うと、個人だけではなく、組織全体のモチベーションが高まり、全体の生産性も向上するのです。
ただし、一定の成績アップで燃え尽きてしまわないよう、高いモチベーションを維持できるような対策も求められます。高いモチベーションの維持には高い目標設定が効果的です。
営業品質が均一化される
営業支援のふたつ目のメリットは、営業品質が均一化されることです。営業方法は個々でプロセスが異なり、営業品質に偏りが発生し易くなります。営業品質の均一化には、効果的な営業スキルやノウハウの共有が必要です。
そのためには、優秀な成績を出している営業担当者からの情報共有が欠かせません。しかし、営業ノウハウの共有は、営業担当者にとって「ライバルが増える」といった懸念点にもつながります。そのため、優秀な成績を収める営業担当者のノウハウが、なかなか共有されず属人化するという課題がありました。
営業支援は、この属人化という課題を改善し、効果的な営業方法の共有とノウハウの蓄積を支援します。ノウハウの共有からナレッジが構築され、教育体制の充実化や新人の早期戦力化に活用できるようになる効果が最大のメリットです。
営業担当者による差が縮まり、営業品質が均一化されれば組織全体の営業力強化につながります。営業担当者個人ではなく企業として評価されるため、顧客満足度が向上し、売上も伸びていきます。
【注意点】営業支援にはデメリットもある
営業支援には、メリットだけではなくデメリットもあります。ここでは営業支援ツールSFAのデメリットについて紹介します。
kツールの導入にコストがかかる
1つ目のデメリットは、いわゆるSFAなどのツールの導入にはコストがかかることです。営業支援のために、様々なシステムを導入すれば多くの費用がかかります。ツール導入後、すぐに成果につながるわけではありません。本当に自社にとって必要なツールなのか、吟味することが大切です。
導入後、自社の環境にどのように浸透させるか、利用方法などを事前に確認しておきましょう。
ツールの浸透まで時間がかかる
SFAツールの使用や教育には時間がかかります。特に導入初期は、顧客情報など社内でバラバラに管理されている情報を事細かに入力する必要があるため、ツールの使用に大きく時間を割かれるケースも考えられます。
また、ツールの使用においても、営業担当者に対する営業支援の導入目的や効果などを説明して、理解を得る必要があります。運用に成功すれば役立つ営業支援ツールですが、導入時には、使用する従業員に対する丁寧な説明が求められます。
営業支援を実施する方法
先に述べたように、営業支援にはコストや時間に関するデメリットも存在します。
ここでは、デメリットを最小限に押さえて、メリットを得られるよう営業支援を実施する具体的な方法をご紹介します。
営業メールの送信を自動化する
営業担当者は、多くの相手にアポ取りなどのメール送信に工数がかかっています。コア業務にかける時間が割かれ、営業機会の損失につながるケースも珍しくありません。
しかしながら、メールは営業活動に欠かせないツールです。そこで、営業支援として、各種メールを自動的に送信できるようにします。メール送信の工数を削減することで、営業担当者がコア業務に集中できるように支援できるのです。
また、営業メールのテンプレート化やマクロを組むといった対策も自動化の一部です。メールの打ち間違いをはじめとする人的ミスの抑制や業務の簡略化につながります。
顧客リストを作る
営業支援の実施には顧客リストの作成は欠かせません。顧客リストには、顧客情報とあわせて営業活動の進捗状況なども記載しておくことがポイントです。
顧客リストの作成は、営業活動の情報共有にも役立ちます。営業担当者が不在時でも、情報共有ができていれば他の人が対応できるため、機会損失の回避につながります。そのため、常に十分な顧客リストを確保することが重要です。
営業プロセスを見つめ直して最適化する
営業プロセスを見つめ直し、分析することで最適化を図ります。営業プロセスの最適化には、業務ごとに課題を把握しなければなりません。その中で、「必要に見えて、実は不必要な業務」をカットアウトします。
「削る」または「減らす」ことはできない業務については、業務工程や担当を変えることで対応します。
営業担当者は、フィールドセールスのため社外で過ごすことが多くあります。そのため、上記のように社内での雑務に煩わされない環境作りが重要なのです。ただし、フィールドセールスへ営業支援を行っても生産性が向上しない場合は、インサイドセールスを見直す必要があるかもしれません。
営業プロセスを分析することで、自社の課題が把握でき、営業支援の目的と対象が明確になります。
自社のインサイドセールスの効率化については、下記の記事をご覧ください。
マネージャー側本位の営業支援にならないように注意する
営業支援は、マネージャー側が管理しやすくするための支援にならないように注意が必要です。マネジメント層主体の営業支援は、売上や営業活動などの管理強化を目的とした支援になる可能性があります。営業担当者は売上や営業内容を日々、報告する業務が増えてしまうのが問題です。
結果、営業コア業務に割く時間が減り、生産性の減少につながるケースも想定されます。
上記のように、営業支援を実施しても営業担当者の生産性向上を目的としたものでなければ、無駄な工数が増えるだけの場合もあります。営業支援を実施する際には、現場の課題や要望などに対する正しい理解が不可欠です。
まとめ
営業支援は営業組織の生産性の向上に欠かせない取り組みです。営業支援で成果がでれば、モチベーションが高まり、営業組織の強化が期待できます。
そのためには、現場が望む支援を実施しなければなりません。生産性が上がらないとお悩みの場合は、自社の課題や現場の要望を正しく理解し、営業支援に取り組んでみましょう。